・効率の良いキャリコン論述試験対策方法が知りたい。
・キャリコン論述試験のポイントやコツを教えて欲しい!
このようにお悩みではありませんか?
こんにちは。第15回キャリアコンサルタント試験(JCDA)にて一発合格したたぬきちです。
合格通知は下記です。
この記事ではキャリアコンサルタント論述試験の対策がたったの90分でできる方法をご紹介します。
【前半】キャリコン論述対策が90分でよい理由
【中盤】論述対策前に知っておくべきポイントと参考書
【後半】論述試験対策の勉強方法
記事構成は大きく分けて上記3つの構成となっております。勉強方法について知りたい方は後半の論述対策へどうぞ。
マーク式の学科試験に関して知りたい方は【今だけ】1発で合格するキャリコン学科試験対策必勝法教えます!にて詳しく解説しています。
キャリコン論述試験の勉強時間が90分で良い理由
キャリコン論述試験はなぜ90分で良いのでしょうか?
キャリコン学科試験と比較しても理論や倫理など知識として覚える必要がない分時間短縮が可能となります。
90分の内訳は下記です。
①論述試験のポイントと回答方法:約10分
②論述試験の内容(参考書の例題)を確認:20分
③参考書を用いたの模擬試験:50分
④論述試験の他の出題形式に触れる:20分
初めに論述試験の回答方法と例題の確認をベースにして練習問題を解く。その後論述試験の他の問題も目を通すだけでOKです。
キャリコン論述試験前に読んでおくべき4つのポイント

キャリアコンサルタント論述試験対策において大切な4つのポイントは下記です。
・出題傾向をつかむ
・具体的な回答
・時間配分
・「かかわり行動」の知識
論述試験対策前にポイントを押さえておくと回答しやすくなり、得点しやすくなります。
それぞれ順番に見ていきましょう。
出題傾向をつかむ
キャリコン論述対策前に大切なのが問題の出題傾向をつかむことです。
出題傾向を知っておくと論述試験の大きな流れを理解することができます。
論述試験は問1〜問4まで4つの大問に分かれています。
・問1(15点満点):指定語句を用いてキャリコンの事例1と事例2の違いを説明
・問2(15点満点):キャリコンの相応しい応答か否かを選び、その理由の説明
・問3(10点満点): キャリコンが考えるクライエントの問題点を見立てて応答
・問4(10点満点):事例2のやりとりで今後の目標に向けた支援内容を述べる
問3のキャリコンが考えるクライエントの問題点の見立ては仮説なので断定表現を避ける回答をする。 例)〜と思われる 〜と考えられる
論述試験は共通事例からキャリコンの応答により事例1と事例2の2通りに分かれ、今後の展開が変わっていく形式です。
回答の具体性
論述試験の回答方法はズバリ具体的に書くことが重要ポイントです。
なぜなら抽象的な回答だとあらゆる論述試験でも回答できてしまい、採点者の納得が得られにくいため論述試験の点数に結びつかないことが多いからです。
ではどのように具体的に書けば良いのでしょうか。
問4の設問を例に回答の具体性について考えていきましょう。
Q.下記の文面からキャリコンの今後の関わり方について回答してください
CC5:「保育士の仕事で悩んだことを周囲の人や上司に相談されたことはありますか?」
CL5:「上司に相談することはしていなかったですね・・・。少し考えてみます。」
CC6:「そうですね。一度相談してみてもいいかもしれませんね。」
※CC=キャリアコンサルタンの発言 CL:クライエントの発言
この場合、
CL5:「上司に相談することはしていなかったですね・・・。少し考えてみます。」という文面からクライエントのコミュニーション不足が考えられます。今後は「以前のキャリアコンサルティングの面談で上司に相談するとおっしゃっていましたがご相談されましたか?」などと語りかけクライエントの自発的な行動を促して支援していきたいです。
クライアントのコミュニケーション不足が考えられます。キャリアコンサルタントとして職場の方とのコミュニケーションを大切にしていくように支援していきたいです。
良い例と悪い例を比較すると回答の具体性が大きく違っています。
・CLの発言を引用してどんな問題点が考えられるのか。
・キャリコンとしてどのような具体的な働きかけを行なうのか。
クライアントの発言の引用とキャリコンとしての働きかける言葉をより具体的にして回答すると採点者にも伝わりやすく納得しやすくなります。
時間配分
論述試験の時間配分について考えている人は少なかった印象を受けました。
というのも僕自身試験会場で
・論述試験は学科試験と違い、途中退出者が少なかった
・論述試験終了後間に合っていない表情をする方が多く見受けられた
を感じたからです。
受験生だからこそ感じた論述試験の時間配分。めちゃめちゃ大切です。論述対策前に意識しておくべきです。
時間配分に関してですが問2は2問ありますので全部で5問出題される計算です。つまり1問10分です。
10分以内に完璧ではなくても回答欄は埋める気持ちで試験に挑んでください。
「かかわり行動」の知識
論述試験対策の前にキャリコンが意識しておくべきかかわり行動の知識について確認しておきましょう。
かかわり行動の知識のポイントは下記4つです。
・傾聴姿勢
・カウンセリングは「受容・共感・一致」が基本
・転職を勧める行動やキャリコンの主観押し付けはかかわり行動としてNG
・クライエントに内省してもらうことが大切
キャリアコンサルタント養成講座を卒業している方であればかかわり行動の知識について熟知している方も多いです。
しかし、実務経験を経て受験する方の場合はキャリコンは就職を促したりサポートする人と捉えているケースが多いです。
サポートや促しはキャリコンのかかわり行動としてNGです。クライアントの意見を傾聴した上で内省してもらい、考えて行動してもらうよう促すことが大切です。
キャリコン論述試験対策で必要な参考書は一冊だけ

僕がキャリアコンサルタント論述試験対策で購入した参考書は「キャリアコンサルタント実技試験実践テキスト(秀和システム)」の1冊だけです。
キャリアコンサルタント実技試験実践テキスト(秀和システム)は各団体の論述試験問題が掲載されており、キャリア協会・JCDAどちらの団体にも対応しています。
さらに練習問題もあるので例題だけでなく実践形式で回答できるのもポイントです。
参考書のレビューや詳細については下記リンクへどうぞ。
次に「キャリアコンサルタント実技試験実践テキスト(秀和システム)」の参考書を元に勉強方法について詳しく解説していきます。
キャリコン論述試験対策の勉強方法

前章でキャリコン論述試験のポイントが掴めたと思います。
次に秀和システムの参考書を元に問1〜問4までの論述試験問題の勉強方法について解説します。
論述試験勉強方法【問1】
キャリコン論述試験の問1は指定語句を用いてキャリアコンサルタントの事例1と事例2の違いを説明します。
まずは事例1と事例2についてみていきましょう。
【事例1】
CL1:「教員から転職しようと思っていまして。いい転職先はありますか?」
CC2:「教員を経験されて転職しようか悩まれているんですね・・・。私も転職で成功したので。では転職先をご紹介しますね。」
【事例2】
CL3:「教員から転職しようと思っていまして。いい転職先はありますか?」
CC4:「教員を経験されて転職しようか悩まれているんですね・・・。少しずつ一緒に解決していきましょうか。」
CL5:「そうですね。まずは自分の経験や実績をまとめるところから始めてみます。」
上記2つの事例を比較してみると
事例1:キャリコンが問題解決に走っている。転職した自分の価値観を押し付けている。つまりキャリコンのふさわしくない対応。
事例2:キャリコンが気持ちの共有化を行い、自己探索を促している。ふさわしい対応
だとお分かりいただけると思います。
次に指定語句について確認すると
・自己探索 ・自問自答 ・共有化
・価値観 ・問題解決
指定語句の使い方にもよりますが青字で示した指定語句はふさわしい対応、赤字で示した指定語句はふさわしくない対応で用いられることが分かります。
事例1と2、そして指定語句を踏まえた上で回答してみましょう。
事例1のCC2の「転職先をご紹介しますね。」という点が問題解決に走っており、「私も転職先で成功したから」という価値観を押し付けている部分がふさわしくない対応です。
対して事例2のCC4「少しずつ一緒に解決していきましょうか。」という気持ちの共有化ができており、CL5「自分の経験や実績をまとめるところから始めてみます。」という自問自答を促し、自己探索が少しずつできているのでふさわしい対応だと言えます。
具体的な発言を抜き出して指定語句を使って説明し、事例1と事例2の違いを明確にできていますよね。ポイントを押さえていれば大きく得点できます。
また、問1を回答する上で
・指定語句は全て使い、解答用紙は埋める
・JCDA試験では指定語句の下にアンダーラインを引くことを忘れない
以上2点を忘れずに行ってくださいね。
論述試験勉強方法【問2】
キャリアコンサルタントの相応しい応答かそうでない応答かを選び、その理由を説明するのが問2です。しっかりと相応しい応答かどうかを分かっていますか?という確認です。
具体的に回答する点とポイントを指摘する点は問1と同じです。
先ほどもお伝えしましたがキャリアコンサルタントがクライエントに対しての関わり方の基本をしっかりと理解しているかがポイントとなります。
指定語句はありませんが、必要がある場合は用いてもOKです。
論述試験勉強方法【問3】
逐語録(共通の事例、事例2)を読んでキャリコンが考えるクライエントの問題点を見立てとして応答するのが問3です。
問3で大切なのはキャリコンの見立てで考えることです。要はクライエントが実際に感じている問題点とは違い、キャリコンの推測であるということを押さえておいてください。
ですので解答方法としては
・「〜だと思います。」
・「〜だと考えられます。」
というように断定表現を避け、推量表現を用います。
例えば共通事例と事例2のクライエントの発言に下記のような感情が含まれているとしましょう。
【共通の事例】CL7:「仕事にやりがいを感じられないんです・・・。」
【事例2】CL15:「上司と仕事がうまくいかないんです・・・。」
上記の場合、キャリコンの見立てとして共通の事例では仕事への理解不足、事例2では上司とのコミュニケーション不足が考えられます。
【回答例】
共通の事例においてCL7:「仕事にやりがいを感じられないんです・・・。」という点からクライエントの仕事理解不足が考えられます。また、事例2のCL15「上司との仕事がうまくいかない・・・。」という点からクライアントは上司とのコミュニケーション不足が考えられます。
上記のように引用と問題点を書き出しましょう!
論述試験勉強方法【問4】
問4は事例2のやりとりで今後キャリアコンサルタントが目標設定に向けた支援内容を述べます。
逐語録に記載されているクライアントの問題点を具体的に抜き出してどのように関わっていきたいかを書いていくことが回答のポイントです・
事例2の逐語録の後半から問題点を抜き出すと今後の展開につなげやすいです。
【事例2】
CL12:「介護職で仕事をしていて10人の患者の方に食事を提供している時間があるのですが、時間内で終わらせることを考えていました。ですが食べるのが遅い方や食事をこぼされた方がいる中で自分で時間内に終わらせようとしていました。自分が時間内に仕事を終わらせているところに情けないと感じていました。
CC12:「そうだったのですね。情けないと感じたのはどうしてでしょうか?」
CL13:「本当はもっと患者の方に寄り添ってゆっくりと食べさせてあげたりしたいと思っているのですが、仕事を早く終わらせなければいけないという状態になっていました。そこに情けなさを感じていました。」
【解答例】CL12の「時間内に仕事を終わらせようとしているところに情けなさを感じていた」という点からクライエントが行っている仕事と感情とが自己一致していないと考えられます。CL13:「患者の方に寄り添ってゆっくりと食べさせてあげたい」という点からキャリアコンサルタントとして「本当はもっと患者に寄り添ってあげたいんでしょうね。」などと語りかけ、クライエントの自己理解を促して支援していきたいです。
問1〜問4の中でもキャリコンとして最も自分の意見を反映させやすい問いかけです。支援していく内容を具体的に記述しましょう。
ただし、前述したように転職を進めたりするのはNGなので気をつけてくださいね。
まとめ:キャリコン論述試験は得点しないとマズい
「キャリコン論述試験対策」についてまとめてきました。
キャリコン論述試験は学科試験や面接試験よりも時間短縮できる科目です。
論述試験が時間短縮できる故に得点しないと面接試験で余裕がなくなります。
・「面接試験で緊張して言葉が詰まってしまった。」
・「面接試験でクライアントとの相性が合わなかった・・・。」
面接試験では最悪な場合も考えられますので論述試験は必ず得点しましょう。
論述試験対策は90分と短いだけに対策せずに挑むのは危険です。
論述試験をしっかりと得点すると面接対策もグーンと楽になります。
キャリコンを目指すあなたが当記事で論述試験をラクラククリアできることを楽しみにしております。

